何が起きたのか
2026年8月21日、エイベックスの松浦勝人会長がXにこう書きました。
https://x.com/maxmatsuuratwit/status/2090695741526409727
前日には、noteの連載を「ほぼほぼAIがやってます」と公表していた人です。その翌日にこう書きました。
AIで仕事が楽になると思ってたけど、真逆でした。
投稿は29万回以上再生されています。同じ体験をした人が多いということです。
32時間で見え方が変わりました
2つの投稿を時系列で並べます。
| 日時 | 発言 |
|---|---|
| 8月20日 7:12 | どこまで僕がやっているのかと聞かれたら、ほぼほぼAIがやってます |
| 8月21日 15:01 | 最初のたたき台までは早いけれど、それから数十回以上にわたってのAIとのやりとりがあります |
矛盾ではありません。どちらも本当です。ただし受け取られ方がまったく違います。
前者だけを読むと、指示を出せば記事ができるように見えます。後者を読むと、たたき台のあとに数十回の工程があると分かります。
「ほぼほぼAI」という言葉は、関与の割合を表していて作業量を表していません。ここを取り違えると、同じことをやろうとした人が必ずつまずきます。
なぜ楽にならないのか
本人が理由まで書いています。3つあります。
| 要因 | 本人の説明 |
|---|---|
| やりとりが減らない | 最初のたたき台までは早い。そのあと数十回以上のやりとりがある |
| 仕事が増える | やりとりの間に別のアイデアが出てくるので、さらにパラレルに広がる |
| 切り替えが要る | 案件が変わるごとに頭も切り替える。そのスピードが人の仕事のスピードを遥かに上回る |
3つ目が本質です。AIは待ってくれません。
人が案件を1つ終えると、次に移るまでに間が空きます。その間が休憩になっていました。AIは終わった瞬間に次の出力を返します。間がなくなります。
疲れるのは能力の問題ではありません
ここを誤解している人が多いところです。
AIを使って疲れるのは、使いこなせていないからではありません。判断の回数が増えているからです。
作業を1つ手放すと、そのぶん「これでいいか」を決める回数が増えます。文章を書く時間は減っても、読んで判断する時間は減りません。むしろ選択肢が増えるので伸びます。
松浦会長はこう書いています。休むという概念がなくなっていた。ほぼほぼAIから離れられなくなった。
一人で会社を動かしてきた人が、AIを使って「疲れる」と書いています。経験や役職の問題ではないということです。
止まらない道具には、こちらが止まる仕組みが要ります
対処は本人が書いています。休憩を取ることが大切だと分かった、と。
ただし本人も付け加えています。休憩を取っている間も頭の中はぐるぐる回っている、と。
つまり時間を空けるだけでは足りません。 出力を止める仕組みが要ります。
| 症状 | 対処 |
|---|---|
| やりとりが終わらない | 出す前に「何回で終わりにするか」を決めておく |
| 途中で別の案が出る | その場で着手せず、別の場所に書き出すだけにする |
| 案件が並行して増える | 同時に開くスレッドの数に上限を決める |
| 休んでも頭が回る | 次にやることを1行書いてから閉じる |
どれも当たり前に見えます。ただしAIを使うと当たり前が効かなくなります。次の出力が常に用意されているからです。
それでも使う価値はあります
念のため書いておきます。楽にならないことと、価値がないことは別です。
松浦会長のnoteは4本で5万以上のスキを集めました。AIを使わなければ、この本数とこの速度では出ていません。
速くなるのは事実です。楽になるとは限らないだけです。 この2つを分けておくと、期待した効果が出なかったときに自分を責めずに済みます。
よくある質問
AIを使うと仕事は楽になりませんか
松浦会長は「真逆でした」と書いています。最初のたたき台は速く出るものの、そのあと数十回以上のやりとりが発生し、その間に別の仕事も増えるためです。
AIで疲れるのは使いこなせていないからですか
そうとは限りません。作業が減るぶん、確認して判断する回数が増えます。松浦会長も「かなり疲れます」と書いています。
なぜAIを使うと休めなくなるのですか
本人の説明では、案件が変わるごとに頭を切り替える必要があり、そのスピードが人の仕事のスピードを遥かに上回るためです。人の仕事なら生まれる待ち時間が生まれません。
どうすれば楽になりますか
やりとりの回数の上限を先に決めること。途中で出た案はその場で着手せず書き出すだけにすること。同時に開くスレッドの数を決めること。松浦会長は休憩の大切さを挙げています。
AIを使う意味はありますか
あります。速度は上がります。松浦会長のnoteは1週間で4本出て5万以上のスキを集めました。楽になることと速くなることは別だと考えておくのが実際的です。
数十回のやりとりとは何をしているのですか
投稿では工程の内訳まで書かれていません。分かっているのは、最初のたたき台のあとに数十回以上のやりとりがあり、その間に別のアイデアが出てくるという点です。




