何が起きたのか

2026年8月21日、エイベックスの松浦勝人会長がXにこう書きました。

松浦勝人会長のX投稿(2026年8月21日 15:01)。noteをAIで書いた当事者による実作業の説明ですXで投稿を開く

前日には、noteの連載を「ほぼほぼAIがやってます」と公表していた人です。その翌日にこう書きました。

AIで仕事が楽になると思ってたけど、真逆でした。

投稿は29万回以上再生されています。同じ体験をした人が多いということです。

32時間で見え方が変わりました

2つの投稿を時系列で並べます。

日時発言
8月20日 7:12どこまで僕がやっているのかと聞かれたら、ほぼほぼAIがやってます
8月21日 15:01最初のたたき台までは早いけれど、それから数十回以上にわたってのAIとのやりとりがあります

矛盾ではありません。どちらも本当です。ただし受け取られ方がまったく違います。

前者だけを読むと、指示を出せば記事ができるように見えます。後者を読むと、たたき台のあとに数十回の工程があると分かります。

「ほぼほぼAI」という言葉は、関与の割合を表していて作業量を表していません。ここを取り違えると、同じことをやろうとした人が必ずつまずきます。

なぜ楽にならないのか

本人が理由まで書いています。3つあります。

要因本人の説明
やりとりが減らない最初のたたき台までは早い。そのあと数十回以上のやりとりがある
仕事が増えるやりとりの間に別のアイデアが出てくるので、さらにパラレルに広がる
切り替えが要る案件が変わるごとに頭も切り替える。そのスピードが人の仕事のスピードを遥かに上回る

3つ目が本質です。AIは待ってくれません。

人が案件を1つ終えると、次に移るまでに間が空きます。その間が休憩になっていました。AIは終わった瞬間に次の出力を返します。間がなくなります。

減るのは作業時間で、増えるのは判断の回数です
たたき台が速く出る分だけ、確認して直す回数が増えます。さらに途中で出た案が新しい仕事になります。総量は減りません。出典:松浦勝人会長のX投稿(2026年8月21日)の記述をもとに整理

疲れるのは能力の問題ではありません

ここを誤解している人が多いところです。

AIを使って疲れるのは、使いこなせていないからではありません。判断の回数が増えているからです。

作業を1つ手放すと、そのぶん「これでいいか」を決める回数が増えます。文章を書く時間は減っても、読んで判断する時間は減りません。むしろ選択肢が増えるので伸びます。

松浦会長はこう書いています。休むという概念がなくなっていた。ほぼほぼAIから離れられなくなった。

一人で会社を動かしてきた人が、AIを使って「疲れる」と書いています。経験や役職の問題ではないということです。

止まらない道具には、こちらが止まる仕組みが要ります

対処は本人が書いています。休憩を取ることが大切だと分かった、と。

ただし本人も付け加えています。休憩を取っている間も頭の中はぐるぐる回っている、と。

つまり時間を空けるだけでは足りません。 出力を止める仕組みが要ります。

症状対処
やりとりが終わらない出す前に「何回で終わりにするか」を決めておく
途中で別の案が出るその場で着手せず、別の場所に書き出すだけにする
案件が並行して増える同時に開くスレッドの数に上限を決める
休んでも頭が回る次にやることを1行書いてから閉じる

どれも当たり前に見えます。ただしAIを使うと当たり前が効かなくなります。次の出力が常に用意されているからです。

道具は止まらないので、止める側を決めておきます
回数の上限、着手しないで書き出すだけの置き場、同時に開く数の上限。この3つを先に決めておくと、広がり続ける状態を防げます。出典:本記事の整理

それでも使う価値はあります

念のため書いておきます。楽にならないことと、価値がないことは別です。

松浦会長のnoteは4本で5万以上のスキを集めました。AIを使わなければ、この本数とこの速度では出ていません。

  • avex松浦会長Noteから学ぶ「効果的なAIの使い方」とAIっぽさが出る場所
  • 速くなるのは事実です。楽になるとは限らないだけです。 この2つを分けておくと、期待した効果が出なかったときに自分を責めずに済みます。

    よくある質問

    AIを使うと仕事は楽になりませんか

    松浦会長は「真逆でした」と書いています。最初のたたき台は速く出るものの、そのあと数十回以上のやりとりが発生し、その間に別の仕事も増えるためです。

    AIで疲れるのは使いこなせていないからですか

    そうとは限りません。作業が減るぶん、確認して判断する回数が増えます。松浦会長も「かなり疲れます」と書いています。

    なぜAIを使うと休めなくなるのですか

    本人の説明では、案件が変わるごとに頭を切り替える必要があり、そのスピードが人の仕事のスピードを遥かに上回るためです。人の仕事なら生まれる待ち時間が生まれません。

    どうすれば楽になりますか

    やりとりの回数の上限を先に決めること。途中で出た案はその場で着手せず書き出すだけにすること。同時に開くスレッドの数を決めること。松浦会長は休憩の大切さを挙げています。

    AIを使う意味はありますか

    あります。速度は上がります。松浦会長のnoteは1週間で4本出て5万以上のスキを集めました。楽になることと速くなることは別だと考えておくのが実際的です。

    数十回のやりとりとは何をしているのですか

    投稿では工程の内訳まで書かれていません。分かっているのは、最初のたたき台のあとに数十回以上のやりとりがあり、その間に別のアイデアが出てくるという点です。

    参照した情報

  • https://x.com/maxmatsuuratwit/status/2090695741526409727
  • https://x.com/maxmatsuuratwit/status/2090215320921460852