日立製作所は2026年8月27日、製造業のサプライチェーンで起きる部門間の調整を支援する「AIオーケストレーション技術」を開発したと発表しました。
注文変更や納期調整が入ったとき、営業・生産管理・調達といった各部門のAIエージェントを連携させ、全体として実行できるスケジュール変更案を立てる仕組みです。日立は2027年中に「HMAX Industry」のラインアップとして提供を始める予定です。
30秒でわかる:何を自動化する技術か
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 製造業のサプライチェーン |
| きっかけ | 注文変更、需要変動、納期調整 |
| 連携する部門 | 営業、生産管理、調達など |
| AIの役割 | 制約条件を踏まえ、変更案を立案する |
| 最終判断 | 人が行う設計 |
| 提供予定 | 2027年中 |
例えば納期を前倒ししたい注文が入ったとき、営業だけでは回答できません。在庫は足りるか、生産設備は空いているか、部材を調達できるか、現場の作業量は許容範囲かを同時に見なければならないからです。
各部門のAIを「会話させる」
日立の説明では、営業AI、生産管理AI、調達AIなどが情報をやり取りし、部材在庫、設備リソース、許容残業時間、過去の顧客交渉実績などを踏まえて変更案を作ります。
ポイントは、文章を生成するLLMだけで答えを出すのではないことです。日立が持つ数理最適化と機械学習を組み合わせ、現場の制約条件を扱うとしています。もっとも、実行する方針や最終的な決定は人が担う設計です。
すぐに工場が完全自動化されるわけではない
今回発表されたのは技術開発と提供予定です。日立は今後、顧客とのPoC、現場での試験運用、ERPやMESとの連携強化を進めるとしています。
そのため、どの業種でどれほど調整時間が減るか、実際の導入費用や対象機能はまだ確定していません。「AIがすべてを決める」サービスではなく、複数部門の調整案を速く作るための支援技術として読むのが適切です。
なぜ今この技術が必要なのか
部門ごとにAIを入れても、会社全体の調整までつながらなければ、納期変更のような横断業務は人手で残ります。今回の発表は、個別のAI導入から、複数のAIを横断して使う段階へ進もうとする動きです。
クリエイターや一般の業務でも、複数のAIツールを使い分ける場面は増えています。ただし、実際の業務で判断を任せるときは、AIが使った前提条件と、人が最終判断する箇所を分けておく必要があります。
よくある質問
いつ使えるようになりますか
日立は2027年中にHMAX Industryのラインアップとして提供開始する予定です。
AIが納期を勝手に決めますか
日立は、方針や最終的な判断・決定は人が行うプロセスだと説明しています。
どの部署が対象ですか
営業、生産管理、調達など、サプライチェーンに関わる複数部門のAIエージェントを連携させる構想です。


